着付け技能士は、平成22年から始まった着付けの専門技能を検定する試験です。職業能力開発促進法に基づく国家資格となっています。
目次
〇着付け技能士制度について
着付け技能士とは、職業能力開発促進法による技能検定制度の一つで国家資格となります。平成28年度現在127種類の技能検定があります。技能検定試験は通常、都道府県の職業能力開発協会が試験を実施していますが、民間の指定試験機関に委託しているのも15種類あります。着付け技能試験は、「一般社団法人全日本着付け技能センター」が実施しています。
http://www.kitsuke.or.jp/index.html
〇着付け技能士の等級レベルと受験資格
着付け技能士の称号レベルには下記のようになっています。
- 1級:上級の技能者が通常有すべき技能とこれに関する知識の程度を有する者
- 2級:中級の技能者が通常有すべき技能とこれに関する知識の程度を有する者
受験資格は以下の通りです。
- 1級:実務経験5年を有する者・各種教育機関の修業時間により2~4年の実務経験を有する者
- 2級:実務経験2年を有する者・各種教育機関の修業課程を修了した者
〇着付け技能検定試験
着付け技能検定試験の内容は以下の通りです。
- 試験日:学科試験を6月、実技試験を9月~12月に行っています。
- 試験会場:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の指定された試験会場で行われます。
- 試験内容:学科試験を60分、学科試験に合格した者が2 時間 30 分~3 時間程度の実技試験を受験できます。
- 試験科目:学科試験と実技試験で以下の通りです。
- 学科試験:着物全般に関する知識として、着物の歴史や知識・たたみ方・織物・染物の知識・着用時季・男女の着物の違い・着物の用途別種類・帯の種類・着付小物や装身小物の種類・用途・着物と帯および小物の合わせ方・着付けの心得・作法や技法・美容師法
- 実技試験:浴衣・街着・付下げ・訪問着・付下げ訪問着を2級試験で、更に1級試験では、色留袖・黒留袖・中振袖・紋服が追加されています。
- 合格基準:学科試験・実技試験ともに、100点満点中で1級70点以上、2級60点以上が合格です。
- 試験免除:学科試験合格後、2年を経過する日の属する年度の末日までに行われる実技試験から受験できる等、同協会ホームページにて掲載されています。
http://www.kitsuke.or.jp/exception.html#01
- 合格率:未公表です。
〇着付け技能士の仕事内容等
着付け技能士を取得しますと、国家資格保持者として「〇級着付け技能士」の称号を得ることができます。1級は厚生労働大臣名で、2級は技能センター理事長名で合格証書が授与されます。また着付け技能士資格を取得していないものが「着付け技能士」を称していることは法律で禁止されています。
個人で仕事をされている方は、美容院や結婚式場などと営業して交渉契約をし、着付け技能士としての仕事をされています。結婚式や成人式、七五三などで、和服を着る習慣がある日本の文化では、必ず必要となる仕事でもあります。まだ新しい技能検定でもありますので、世間一般的には定着度は低いと思われますが少しずつ認知されることによって需要も増えてくると思われます。