機械・プラント製図技能士は、機械製図・プラント製図に必要な技能を持つ方をいいます。この資格は厚生労働省の技能検定制度による資格であり国家資格です。
目次
〇機械・プラント製図技能士制度について
機械・プラント製図技能士とは、職業能力開発促進法による技能検定制度の一つで国家資格となります。厚生労働省ホームページから確認しますと、平成28年度現在127種類の技能検定があります。
技能検定試験は、中央職業能力開発協会が試験問題を作成して、都道府県の職業能力開発協会が試験を前期と後期にわけて実施しています。
〇機械・プラント製図技能士の等級レベルと受験資格
機械・プラント製図技能士の称号レベルには下記のようになっています。
- 1級:上級の技能者が通常有すべき技能とこれに関する知識の程度を有する者
- 2級:中級の技能者が通常有すべき技能とこれに関する知識の程度を有する者
- 3級:初級の技術者が通常有すべき技能とこれに関する知識の程度を有する者
区分は以下の通りです。
- 機械製図手書き作業
- 機械製図CAD作業
- プラント配管製図作業
受験資格は以下の通りです。
- 1級:7年以上の実務の経験を有する者・2級合格後2年以上の実務経験がある者・3級合格後4年以上の実務経験がある者・また指定学科卒業で実務経験が短縮されます。
- 2級:2年以上の実務の経験を有する者・3級合格者・また指定学科卒業で実務経験が短縮されます。
- 3級:特になし
〇機械・プラント製図技能検定試験
機械・プラント製図技能検定試験の内容は以下の通りです。
- 試験日:年2回実施していまして、前期6~9月と後期11月~2月に開催されますが、都道府県によっては実施していない場合や日程等も違うことがあるのでご確認下さい。http://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html
- 試験会場:各都道府県で指定された試験会場で行われます。
- 試験内容:学科試験と実技試験について試験が行われます。
- 試験科目:試験科目は以下の通りです。
- 学科試験:関連する分野から、必修科目として製図一般・材料・材料力学一般・溶接一般・関連基礎知識が、選択科目は3分野から出題されて、真偽法及び四肢択一法によって50問を問われます。
- 実技試験:製作等作業試験・判断等試験・計画立案等作業試験のいずれかか、又はそれらの組み合わせにより実施されます。
- 合格基準:それぞれ100点満点で学科試験が65点以上、実技試験が60点以上となっています。
- 合格率:この種目だけの試験結果は非公表ですが、全種目の技能検定試験結果では厚生労働省・平成26年度「技能検定」実施情報で確認してみますと1級38.4%、2級26.4%、3級50.9%となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000093483.html
〇機械・プラント製図技能士の仕事内容等
機械・プラント製図技能士を取得しますと、国家資格保持者として「〇級機械・プラント製図技能士」の称号を得ることができます。資格を保持していない者が称号を名乗ることは法律で禁止されています。
このような設計技術者は、エンジンメーカーや自動車メーカーに勤務されている方が多いです。各種大学や専門学校にて機械工学や材料工学等の基礎知識を学んでから企業に勤務して更に、専門性を生かしてCADでの製図を行う技能を生かす仕事をされています。